長期登山(縦走)に最適な軽量、コンパクトな浄水器『ソーヤミニ』のご紹介

長期登山(縦走)に最適な軽量、コンパクトな浄水器『ソーヤミニ』のご紹介

はじめに

今回は、特に長期縦走で重宝している浄水器を紹介したい。

筆者は、夏季休暇を利用して北アルプスへ長期縦走へ行く事がある。
5泊から、長い時には8泊ほどして、山々を廻る事があるが、基本的には、テント泊で夕飯のみ自炊としている。こう言った登山で一番問題になるのが、水の確保である。

携帯浄水器ソーヤミニを導入してからは、長期縦走での水不足の心配から、大分解放されたように思う。

今回の記事では、長期縦走における水の問題と、ソーヤミニの特徴と製品を使用した感想についてお話したいと思う。

登山における水の問題

1日に必要な水の量

夏の登山で1日で使用する水の量は、一日の活動時間を10時間として、日帰りでは2L程度、テント泊では3L程度は必要であろう。

テント拍の場合は、夕食のみ自炊で、行動時に1.8L、夕食時に0.7L、翌日の行動開始時の水0.5Lと、行動時の水分補給以外にも、水が必用になる。

あらかじめ、必要な水を全て用意し持って行くとなると、結構な重量の荷物を背負う事になる。

水を確保する方法

水を確保する方法としては、登山の道中に山小屋がある場合は、山小屋で水を購入出来るし、水場が併設されている場合は、綺麗な水を無料で確保する事が出来る。

しかし、登山の道中で、山小屋をいくつも経由することは少ない。大抵の場合は、山頂付近であったりするし、テント泊の縦走登山であれば、山小屋のテント場が出発地点で、次の山小屋のテント場が終着地点であったりする。

水を確保3する方法と、それぞれのメリットデメリットを以下にまとめた。

登山で水は、補給可能な場所が限られている上、重量があり持って行ける量に制限があると言うことが問題。

そこで、登山経路上に沢がある場合は、浄水器を携行し飲料水として沢の水を利用する事で、持って行く水の量を少なくすることが出来る。

南アルプスや、北アルプスでは、道中に沢筋がある場合が多い。どこの沢の水もそのまま飲めるとは限らないが、浄水器があれば大抵の沢の水は、飲料水として利用可能だ。

ソーヤミニの紹介

特長

2017年8月 針ノ木沢にて

円柱系の携帯浄水器で、円柱の端に水の取り入れ口、もう一方の端にろ過後の水を供給する水の排出口がある。ポンプなどは一切なく、浄水フィルターに水の取り入れ口と排出口を付けたシンプルな構造である。

使い方

浄水時

  1. 付属のパウチに水を入れ、ソーヤミニの注入口に接続。
  2. パウチに手で圧力を掛け、水を漉し出す。(かなり強めに圧力をかける必要がある。)
  3. もう一方の排出口から綺麗な水を確保する。

洗浄時

しばらく使うと、フィルターに目詰まりが起こり、パウチに強い圧力を掛けないと、水をろ過出来なくなる。
その場合は、付属の注射器の様な物に綺麗な水を入れ、水の排出口から水の供給口へ水を逆流させる事により、フィルターの目詰まりを解消する。

良い点

  • 小型、軽量。
  • 十分なろ過能力がある。

悪い点

  • 使用後、フィルターが濡れたまま保管する場合、カビなどが心配。
  • 濾過に時間がかかる。

ユースケース

  • 長期縦走でルート上の沢の水を飲料水として使用する場合。
  • 緊急時に衛生上不安のある水を飲料水として使用する場合。
  • 冬山のテント泊登山で、雪を溶かして水を作る場合。

注意点

本製品には、農薬などの化学物質を濾過する能力は無い為、生活排水が流れ込む環境での使用は避けた方が良いだろう。

おわりに

2017年8月 赤牛岳登山の道中(読売新道)にて。緊急時の水の確保にも活躍。

筆者は、登山に本製品を導入したことにより、水を安全に、なおかつ、十分に摂取できるようになった。

また、緊急時にも本製品が役立った事がある。と言うのも、数年前の北アルプス縦走で、赤牛岳に向けて読売新道を登っていた時に、行動用の水が尽きてしまった。そして、喉が乾き、疲労で体調も悪くなり、とにかく水を飲みたい。。。

幸い?にも登山道に最近降った雨の影響だろうか、わずかに水が染み出し、窪みにたまっている。

湧水では無いし、やや泥が混じっていてそのままでは、飲めたものではないが、ソーヤミニで濾過すると、泥臭さはあったものの、十分に飲めるレベルに濾過され、何とか水を確保する事が出来た。もちろん、その後体調に異常はない。むしろ、水を摂取した事、で悪化していた体調が回復した。

基本的によほどの高山で無い限り、滞留している水は、微生物が繁殖している可能性が高く、そのまま飲まない方が良い。煮沸するかフィルターで濾過する必要があるが、止むを得ず、不衛生な水を飲まなければいけない場合にも本製品は、役に立つ。

荷物が多くなる縦走登山をされる方や、日帰りの登山でも沢沿いのルートを登る方、緊急時に水を確保出来るように備えたい方へ、本製品をお勧めしたい。