キャンプ用ガスストーブ(コンロ)の比較と選び方

はじめに
登山に携行可能な軽量なガスストーブが各社から販売されている。
ストーブの重量や火力、その他特長を比較し、各条件に合わせたガスストーブをピックアップしてみた。
ガスストーブを検討している方に参考にしていただきたい。

ガスストーブの比較
今回は、EIPgas、PRIMUS、SOTO、スノーピークから販売されている製品をピックアップした。
主要メーカーのガスストーブ一覧


ガスの出力(火力)は、各メーカーのウエブサイトに記載されている値を掲載している。各メーカーでは、出力を計測する際に自社のガスカートリッジを使用しているが、メーカによってガスの成分が異なる。また、計測方法も統一されていないようなので参考データとしたい。
とにかく軽量なガスストーブを使いたい場合
スノーピークのGST-20Rが56gでリストの中で最軽量となっている。点火装置が付属していないので、フリント式のライターか、マッチを持参する必要がある。高山では、圧電着火式の点火装置は稼働しない事が多くあり、いずれにせよ、どちらかは持っていく必要がある。
PRIMUSのP-115も57gとGST-20Rとほぼ変わらない重量であるが、出力は、2100kcal/hでGST-20Rより700kcal/hほど小さい。点火装置付きである。
SOTOのSOD-310は、67gで軽量な部類に入り風に強い事で定評がある。点火装置付きである。
出力(火力)が大きく軽量なガスストーブを使いたい場合
重量が100g程度と軽量な、ガスストーブの中で最も出力が大きいのは、EPIgassのREVO-3700でハイパワーガス使用時には、4200kcal/hの出力が発生する。重量は、111gと平均以下でで点火装置付きである。
分離型のガスストーブを使いたい場合
PRIMUSのP-155Sが分離型のガスストーブで最軽量(167g)である。点火装置は、付属していない。
ガスカートリッジがCB缶のガスストーブを使いたい場合
SOTOのST-330がリストに掲載されているCB缶仕様のガスストーブの中で、250gと最軽量である。分離式で点火装置付きである。
燃料にガスの他、ガソリンも使いたい
リストの中では、SOTOのSOD-372一択となる。ガス使用時に必要となる、ガスバルブとガソリン使用時に必要となるポンプが付属するが、ガソリンを使用する場合は、別途燃料ボトルを用意する必要がある。分離式で点火装置は付属していない。
ガスカートリッジについて
ガスストーブは、ストーブを生産しているメーカーのガスカートリッジを使用する事が原則である。したがって、ガスカートリッジの性能や入手のしやすさ、価格などが後々、ガスストーブを使い続ける上で影響する場合がある。
ガスカートリッジの性能で言えば、-20℃まで使用可能なカートリッジを販売しているのは、EPIgasのみ。その他のメーカーの製品は、最低使用温度は-5℃程度と思われる。
また、該当のメーカーのガスカートリッジが最寄りのホームセンターやアウトドアショップで販売されていれば、いざと言うときに手に入れやすいだろう。
価格については、EPIgasとPRIMUSがネット通販で定価より2割以上安く、内容量が200g程度のハイパワーガスでも500円以下で購入することが出来る。
気温が10℃以下で使用する場合は、プロパンを混合しているハイパワーガスを使用しないと、ガスカートリッジの内圧が下がり、特にガスの残量が少ない場合は、炎の勢いが低下し使用する事が難しいだろう。
おわりに
ガスストーブを購入する場合は、重量だけ、もしくは、火力だけを考慮するのではなく、使用状況に合わせて、重量、火力、分離型か一体型か、点火装置が付属しているか等と言った点を考慮した上で購入したい。
また、アウトドアでは、風が強い事が多く、風に強いと言われる製品を購入した場合でも、ウインドスクリーン(風防)を使用した方が効率が良い。
また、バーナーシートを使用すれば、吹きこぼれた場合に掃除が楽である。
山で使用する場合、圧電着火式の点火装置が稼働しないことがよりあり、フリント式(火打ち式)のライターかマッチを用意する必要がある。
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