MSR ドラゴンフライ を6年使用した感想と、キャンプでガソリンストーブを使用する理由についてご紹介!

はじめに
キャンプを始めた頃は、OD缶仕様のガスストーブを使っていた。
しかし、ガスストーブは、安価なレギュラーガスを使用していると、寒い時期に火力が落ちる。かと言って寒冷地用ガスは、レギュラーガスに比べて割高でランニングコストが気になる。また、缶のゴミが出る事や、使用中のガス缶の残量が正確に分からない事が不便に感じるようになった。
そして、厳冬期にも山に登るようになり、気温が低くても火力が落ちないと言われている、ガソリンストーブを試したくなり、購入を考えるようになったのである。
SOTOのMUKAストーブやオプティマスのNOVAを候補に検討したが、火力調整が細かく出来、発売されてから歴史のあるMSR ドラゴンフライを購入することになった。
5年以上使用しているが、この製品が、俺のキャンプライフに、大いに役立っているので紹介したい。良い点と悪い点があるので、ガソリンストーブを検討している方に参考にして頂きたい。

MSR ドラゴンフライ の紹介
特徴
ストーブ本体と燃料ボトルが分離している構造のストーブである。燃料には、ホワイトガソリンの他、無鉛ガソリンが使用できる。ジェットを交換(製品に付属)すれば灯油・軽油・ジェット燃料も使用できる。また、折り畳みが出来る風防とシートが付属する。風防はもう少し高さがある物を別途用意した方が良いだろう。
俺は、基本的には、ホワイトガソリンを使用し(買い置きがある為)、飛行機での移動が必要な場合は、旅先でレギュラーガソリンを入手し使用していている。
ストーブ本体に付いている火力を調整するバルブを操作する事で、ガソリンストーブでは苦手とされている、とろ火での使用が可能な点が大きな特徴である。
別途、専用の燃料ボトルを用意する必要がある。

点火方法
- 燃料を別売の専用ボトルに入れる。規定されている量を超えないように注意する。
- 付属のポンプのバルブが閉まっていることを確認する。
- ポンプをボトルにねじ込み、しっかり装着する。ボトルを横にして、燃料の漏れがないか、確認する。ガソリンには、強い匂いがあるので、漏れている場合、直ぐにわかる。
- ポンピングを30回位行い、燃料ボトルを加圧する。ポンプは、プラスチックなので、余り勢い良くポンピングしない方が良いかもしれない。破損の原因になるだろう。
- ストーブ本体のバルブが閉じている事を確認する。
- ストーブ本体とポンプを連結する。
- 平らな場所に置く。
- ポンプのバルブを全開にする。
- ストーブ本体に、アルコールをかけ、点火し、プレヒートをする。火が消えるまで待つ。マニュアルの手順では、燃料を少し出して着火しプレヒートを行う。その場合、黒煙があがり、ガソリンを燃やした匂いが出るので、テントの中では、厳しいだろう。
- ストーブ本体のバルブを一回転開く。
- 20秒位立つと、シューっと音がして、気化した燃料がストーブ本体から出てくるので、点火する。
- 青い炎が上がり、勢い良く燃焼する。青い炎で、完全燃焼している状態であれば、煙や臭いはない。



良い点
- 寒冷地や高山でも、火力が落ちる事がない。
- 火力の微調整ができる。特にとろ火に出来るのは、ガソリンストーブの中でもこの製品だけではないだろうか。
- 燃料を使いきる度に、ゴミが出る事がない。俺は、ホワイトガソリンを一斗缶で買ったので、ここ数年燃料の空き缶のゴミが出ていない。
- 燃料を必要な分だけボトルに入れて運ぶことが出来る。ガスストーブの場合、中途半端にガスが残った缶(正確な残量が分からない)と新品の缶を持ち運ばないといけない場合がある。
- 飛行機での移動が必要な場合でも、空のボトルを持っていき、現地でレギュラーガソリンを入れれば、ストーブを使用する事が出来る(ガソリンスタンドは、何処にでもある)。一方、ガスストーブの場合は、ガスカートリッジを機内に持ち込む事は出来ないし、OD缶仕様であれば、ガスカートリッジを現地で調達する事が難しい場合がある。
悪い点
- 燃焼時に轟音が発生する。最大火力にすると、会話が聞き取りづらいレベルである。
- ガソリンでプレヒートすると黒煙とガソリンが燃える匂いが発生する。
- ガスストーブには、軽量でコンパクトな製品が多数あるが、それと比較すると、かさ張るし、重い。
注意点
ガソリンストーブを使用する場合は、火をつける直前に、ガソリンの漏れがないかを、触って、嗅いで、慎重に確認したい。ガソリンでプレヒートする場合は、ごく少量のガソリンを出して行い、足りない場合は、バルブを開いて、少量のガソリンを追加するようにしたい。いきなり多目のガソリンを出してプレヒートすると、炎が高く上がってしまうのでガソリンの分量には注意する必要がある。プレヒート中は、バルブを閉じる。
ガソリンは、危険なのでは?と思われる方もいると思うが、注意を怠れば、事故が起こるのは、ガソリンストーブに限ったことではないと思う。

工夫
ガソリンストーブに限った事ではないが、キャンプ用のストーブを使用する際は、風防で火に風が当たらない様にした方が、鍋に効率良く熱が伝わる。風が弱い状況下でも風防の利用をお勧めしたい。
雪上では、板切れを下に敷くと、暖まったストーブ本体が雪に沈まなくてよい。
ランニングコスト
ガソリンストーブは、ガスストーブと比較すると、ランニングコストが低いのだが、この事もガソリンストーブを使用する上でのメリットである。
どれくらい安く済むか確認してみよう。
以下に燃料の価格を例として記載した。表のガソリンの単価は、500mlの単価である。また、ガス500gとガソリン500mlが、燃焼した時に同じ熱量が発生すると仮定した場合の比較である。価格には、Amazonの実勢価格を記載し、ガソリンの使用限界温度は、ガソリンの凝固点(推定)を記載している。
種類 | 製品 | 内容量 | 使用限界温度 | 実勢価格(定価) | 単価(500g) |
ガス | 東海 カセットボンベ コン朗(3本組) | 750g(推定) | 不明 | ¥354 | ¥236 |
ガス | EPIgas 500レギュラーカートリッジ | 470g | 10℃ | ¥608(¥790) | ¥647 |
ガス | EPIgas500パワープラスカートリッジ | 460g | -15℃ | ¥792(¥940) | ¥861 |
ガソリン | レギュラーガソリン | 1L | -90℃ | ¥130 | ¥65 |
ガソリン | ホワイトガソリン 一斗缶 | 18L | -90℃ | ¥7690 | ¥214 |
ガソリン | ガレージ・ゼロ 4L | 4L | -90℃ | ¥2700 | ¥338 | ガソリン | コールマン エコクリーン 4L | 4L | -90℃ | ¥3218 | ¥402 |
「コン朗」は、いわゆる家庭用カセットガスであるが(アウトドアでどれほど使えるかわからないが)、それと比較した場合でも、レギュラーガソリンやホワイトガソリンを一斗缶で購入した場合の単価の方が安価である。山や外気温が10℃以下になる環境を想定すると、ガスはEPIgas500パワープラスカートリッジが比較対象となるが、ガソリンはどれと比較しても、
EPIgas500パワープラスカートリッジの単価の半分以下となる。レギュラーガソリンは劇的に安い。
但し、ガソリンを一斗缶で購入する場合、消防法に適合した携行缶で保管する必要があり、別途購入が必要である。
俺の場合は、ランタンもホワイトガソリンを燃料とするものに切り替え、一斗缶でホワイトガソリンをまとめ買いしている。
利用シーン
キャンプする場所が低地で、たまにしかキャンプをしないのであれば、CB缶仕様のガスストーブが、使い勝手の面でも、コストの面でも良いだろう。
ドラゴンフライが活躍するのは、以下のような状況ではないだろうか。
- キャンプ回数が多い(燃料費を低く抑えたい)。
- 気温が10℃以下になる場所(季節)でキャンプをする。
- 燃焼音が大きくても気にする必要が無い。
- 長時間煮込む料理や、微妙な火加減が必要な料理をする。
おわりに
数年前に、正月の長期休暇を利用して、八丈島に長期サーフキャンプに行く事があった。飛行機での移動の為、燃料を持っていく事は出来ないので、ドラゴンフライを持参した。そのおかげで滞在中は、レギュラーガソリンを利用し、きがねなく火を使う事が出来た。
他のキャンパーは、比較的、燃料が手に入りやすいCB缶仕様のガスストーブを使う等工夫していたが、帰り際に、残ったガスの処分に苦労していた。
以上、ガソリンストーブを検討している方にこの記事を参考にしていただければ幸いである。
MSR ウィスパーライトインターナショナルの紹介記事↓
『MSR ウィスパーライトインターナショナル を5年使用した感想と製品の特長をご紹介!』

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